先に言っておくが、これは怪しい夜遊びの話ではありません!
妖艶なタイトルになってしまったが、至って真面目なお話です!!
これは僕が友達とタイのバンコクに行った時の物語…
バンコクでは夜の歓楽街などを歩いていると、子供たちの姿をよく見かける!!
まだ小学生ぐらいじゃないかと思う小さい子供も一人で歩いていたりする!!
都会になったバンコクなのに、まだこんな姿があることがなんだか複雑な気持ちにさせる…
そんな時、僕たちは一人の少女に出会った!
まだ小学1年生ぐらいであろう女の子…
女の子は笑いながら「チップ、チップ~」と迫ってきた!!
その子はクシャっとした顔で笑い、とても整った綺麗な顔立ちをしていた!!
そして、僕たちはその純粋そうにクシャっと笑う表情に負けて、わずかなチップを渡した!!
その次の日も僕たちは同じ道でその女の子と出会った!
女の子は僕たちに気付くと、嬉しそうに走って抱き付いてきた!
そして、昨日と変わらぬクシャっとした笑顔を見せた!!
でも今日は「チップ」とは言わなかった…
心配になった僕らは「腹減ってねぇか!?」と知ってる単語を並べて聞いてみた!!
すると女の子は嬉しそうにクシャっと笑った!!
そして、何も言わず僕らの手を引くと、コンビニの前に連れていった!!
好きな物を買ってあげて、店の前で地べたに座って食べる!!
これが良いことなのか悪いことなのかは分からない…
日本でやれば、大きな問題になるかもしれない…
でも美味しそうに頬張る姿を見て、単純に嬉しかった!!
そして、バンコク旅行の最終日…
また、その女の子を見つけた!!
「今日で最後なんだ」と伝えると、女の子は初めて寂しそうな顔を見せた!!
そして、そっけない態度で僕らに手を振ると、足早にバンコクの街に消えていった…
結局、その女の子が何をしているのかは分からなかった!!
すごく気になった…
でも、聞けなかった…
なんだか聞いちゃいけない気がした!!
それから毎年、バンコクに遊びに行くたびに夜の繁華街でその女の子を見かけた…
女の子は僕たちに気付くと、変わらぬクシャっとした笑顔で走ってきてくれる!!
それが嬉しい反面、生活環境が変わっていないことを実感する…
年々、物価が上がり、街がきれいに変わっていってるバンコクだけど、変わっていない部分も沢山あって…
こんな子が少しでもいなくなってくれることを強く願う!!
だから、そんな時はこう言ってやるんだ…
バンコクで出会った小さな友達に…
「腹減ってねぇか!?」
〈あとがき〉
初めてその女の子と出会ってから数年後…
女の子がお兄ちゃんと一緒にいる所に出会った!
お兄ちゃんは小学校の高学年くらいだろうか…
少しシャイで、初めは恥ずかしそうにしていた!!
でも仲良くなるのに時間は掛からなかった!!
お兄ちゃんが持ってたミニカーで一緒に歩道で遊ぶ…
すると、お兄ちゃんが少しだけ自分たちのことを話してくれた!
「お母さんの仕事が終わるのを待ってるんだ!」
お兄ちゃんはそれが当たり前のように言った!
それを聞いて、少し安心したけど…
複雑な疑問も湧いてくる…
汚い格好をしてる訳でもないし、洋服だって着替えている…
母親もいて、家がない訳ではないのだろう…
それなら、なんで??
旅行者の僕には分からない…
これ以上、踏み込んでいいのかも分からない…
でもその兄妹がずっと仲良しで…
女の子のクシャっとした笑顔がずっと消えないことを心から願っています!!