僕がカンボジアのプノンペンに来た最大の理由はこの二ヶ所の施設を見たかったからだ!!
トゥールスレン虐殺博物館とキリングフィールド!!
僕はトゥクトゥクに乗り込むと、まずはトゥール・スレン虐殺博物館へと向かった!!
きっと楽しい施設ではない…
それでも、自分の目で見てみたかった…
入口で入場料の6ドルを払い、中に進むと音声ガイドを渡してくれる…
日本語版も用意されてて、僕はそのヘッドフォンを耳に当てた…
流れてくるのはカンボジアで起きた辛すぎる出来事…
いやっ、1975年から1979年に起こった出来事なので、歴史というにはあまりにも近すぎる過去…
その内容が生々しく解説されて、僕は何度もヘッドフォンを外したくなった…
施設内には数字の書かれた看板があり、音声ガイドにその数字を打ち込むと、その場所に関する内容が聞けるようになっていた!!
ポル・ポト率いるクメール・ルージュが政権を握り、それから4年間という短い間に200万人から300万人の人たちが虐殺された!
当時のカンボジアの人口が800万人と言われているので、3人に1人が殺されたということになる…
そして、その人数は今でも正確には分かっていないらしい…
ポルポトは原始共産主義を掲げ、原始時代のような自給自足をする国家を作ろうとしていた!
そのためにプノンペンを占領し、市民を農村に追いやり、強制的に農業を行わさせた!
食事は僅かな粥のみで、過労や病気で多くの人たちが死んでいった…
そして、反抗してくる者が現れないように、知識などを持った医師や教師、技術者などを次々に虐殺していった…
そして、その虐殺はエスカレートしていき、読み書きが出来る人、海外に行ったことがある人…
眼鏡をかけているだけでも知識があると思われ、虐殺された!
そして、このトゥール・スレン虐殺博物館はそんな罪のない人たちが収容されていた施設だ!
12000人から20000人の人たちが収容され、生存者はたったの12名だけだったらしい…
高校だった場所に作られた建物には鉄の鎖が巻かれ、逃げられないようになっている…
部屋を覗くと、実際に使われていたベッドや足輪などが置いてあり、現実に起きた出来事だったと実感する…
壁には目を背けたくなるような、当時の写真が飾られている…
そして、違う棟にはポルポトの写真や幹部の写真が飾られていた!
そこには殺された人たちの写真まで、残されている…
この人たちはどんな気持ちでこの写真を撮ったのだろうか…?
悲しい気持ち以上に怒りの感情が込み上げてくる…
そして、トゥール・スレン…別称S-21で働いていた職員やクメール・ルージュの兵士たちの写真も飾られていた!
そこにはまだ10代であろう子供の写真もある!
まだ知識などのない子供を教育し、囚人たちの拷問や警備…そして医療までさせていたらしい…
そして、また違う場所には拷問に使っていた道具…
当時の拷問がどのように行われていたのかという絵まで飾ってあった…
そして、レンガが積まれた牢獄には鉄の鎖が付いていて、当時の悲惨な状況が呼び起こされる…
苦しんで、泣き叫ぶ人たちの声が聞こえる気がして、僕は外に出て深呼吸をした…
外にはここで死んでいった人たちの名前が書かれた石が追悼として並べられている…
そして、その近くにはわずかな生存者の中のお二人がこの事実を伝えようとお話をされていた!
きっと、ここに楽しい思い出など、ひとつもない…
思い出したくないこともあれば、近寄りたくない場所だと思う…
それでも、一生懸命にお話をされていて、なんだかとてもかっこよかった!
そして、僕はここに収容されていた人たちが虐殺された場所、キリングフィールドへと向かった…
- 作者: デーヴィッドチャンドラー,David Chandler,山田寛
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